「阿武松(おうのまつ)」解説
時は江戸時代、寛政年間。
能登国(のとのくに)から相撲取りを目指して出てきた長吉が関取・武隈文右衛門(たけくまぶんえもん)のもとへ念願の弟子入りを果たして小車(おぐるま)となる。
「酒は呑まない、博打は嫌い、おんなは嫌い」そんな真面目な小車が、大飯喰らいのために、 早々に暇を出され、それならいっそと思い詰めるが......
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。
とある旅籠の主と出会い、とんとん拍子でふたたび相撲の世界へ身を投じることに。
中盤の炊きたてご飯のようにあたたかい人情噺の調子から一転、小車改め小緑が番付の階段を一気に駆け上がる展開は痛快。
さあ、三遊亭遊馬の「阿武松」をどうぞお楽しみください。
◆この音源は、平成26年7月19日に東京芸術劇場シアターウエストにて行われた
「三匹の小舞台」を収録したものです。
収録内容
「阿武松(おうのまつ)」(32分25秒)
三遊亭遊馬(さんゆうてい ゆうば)
1970年 埼玉県桶川市生まれ。駒沢大学仏教学部禅学科卒業
1994年 三遊亭小遊三に入門、三遊亭遊だちの名で前座修行
1998年 遊だち改め遊馬の名で二ツ目昇進
2008年 真打昇進
2011年 2010年度「国立演芸場花形演芸大賞」銀賞
2014年 平成26年度(第69回)文化庁芸術祭賞大賞